人間らしく生きよう

障害の有る無しに関らず、人間としての尊厳と権利は平等であるとする願いの下に、聴覚障害者の人間復権をめざす「ろうあ運動」を埼玉県という地域社会で展開して参りました。

1990年の身体障害者福祉法の改正により、長年の聴覚障害者団体の宿願である情報提供施設が法文33条に盛られました。この時機に重ねて1978年の養護学校の義務化によって、ろう学校への就学が増したろう重複障害者達の卒業後の受け入れ施設が欲しいとする、切実な願いがろう学校教師や父母から出されておりました。

埼玉県聴覚障害者協会(現在は一般社団法人埼玉県聴覚障害者協会)は社会資源の乏しい現状を憂い、手話通訳者の組織や手話サークルと手をつなぎ、ろう学校教師や父母の皆さんと共に、全県的な施設建設運動を立ち上げました。

そして、1994年に「社会福祉法人埼玉聴覚障害者福祉会」を発足させ、ろう重複施設、情報提供施設、高齢聴覚障害者の老人ホームの建設を展望する戦略を描き、2006年までに完成させることができました。

今後は保健福祉圏域にケアホームまたはグループホームを設け、既設の施設に対応できない人達のことを考えて、構想しなければと思い、厳しい福祉環境にあっても常に前進することをめざします。

社会福祉法人埼玉聴覚障害者福祉会
初代理事長 河合洋祐