旧優生保護裁判 最高裁傍聴
きょうされん活動に熱心な、仲間のAさんと旧優生保護法に関する最高裁判所法廷に行ってきました。全国たくさんの聴覚障害者が強制不妊手術を受けさせられていたことに、信じられない気持ちでいる仲間のAさんとは、きょうされんやニュースでこの話題が出るたびに、詳細を説明して欲しいと聞いてくるので、時間をかけて何度もこの問題について話してきました。
障害者に子供を産めなくする手術をする法律が、長い間日本にはありました。
全国7地裁で裁判が行われており、その内の5裁判が最高裁判所で争われることになり、テツヤさんから傍聴したいとの申し出があり、傍聴整理券の列に一日がかりで並ぶことになりました。最初は手話通訳も付かない、とのの話でしたが、全日本ろうあ連盟が最高裁判所に掛け合い、手話通訳をつけることができました。午前中の傍聴券には外れてしまいましたが、午後の傍聴整理券にも並び、傍聴席の抽選に通って、生まれて初めての最高裁判所の中に入ることができました。
150人ほどが座れる最高裁判所の中は、天井が筒状に吹き抜けていて、そこから無数のライトが照らしてきます。裁判が始まると、15人の裁判官が正面の大きな扉から入ってきて、傍聴席、原告、被告是認が裁判官に向かって、敬礼をします。不思議な空気感に緊張で手が震えました。原告3名の陳述では、子供の居ない家に奉公に出され、その家に子供が生まれた後に虐待に合い、優生保護手術を受けさせられた男性。軽い足のマヒがあっただけで親から12歳で強制手術をさせられ、結婚後子供が産めなかった為に、離婚させられてしまった女性。肉体的な痛みと精神的な痛みに苦しめられた、みなさんの話に、涙が出ずにはいられませんでした。
結審は、また後日になります。結審の日にも傍聴整理券に並んで、最高裁判所で結審を直接聞きたいと、話していたAさんでした。